【3分でわかる】義肢装具のお金の話。健康保険と障害者手帳、どっちを使う?

こんにちは、イカPOです。

病院で「治療のために装具を作りましょう」と言われたとき、多くの患者様やご家族が心配されるのが「お金」のことです。

「何万円もするの?」 「介護保険でレンタルできないの?」 「あとでお金が戻ってくるって本当?」

制度が複雑で分かりにくいですよね。 まず、一番最初に知っておいていただきたい結論をお伝えします。

⚠️ 重要なポイント 義肢装具には「介護保険」は使えません。 ベッドや車椅子とは違い、義肢装具はオーダーメイド等の医療・福祉用具扱いになるため、介護保険(1割負担レンタルなど)の対象外です。

「えっ、じゃあ全額自己負担なの!?」と焦らないでください。 日本ではしっかりとした補助制度があり、最終的な自己負担は0円〜3割で済むケースがほとんどです。

この記事では、複雑な制度を「たった2つのパターン」に絞って、シンプルに解説します。

義肢装具の制度は「目的」で2つに分かれる

義肢装具の制度は「目的」で大きく2つに分かれます。 細かい法律の話は置いておいて、まずはシンプルにこう考えてください。

装具を作る目的が「治療のため」「生活のため」かで、使う制度とお金の払い方が変わります。

パターン①:怪我や病気を「治す」ため

  • 制度: 健康保険(治療用装具)
  • 支払い:一旦全額払い → 後で返金
    • ※病院に入院・通院している時は基本的にコチラです。

パターン②:症状が固定した後、「生活」で使うため

  • 制度: 障害者手帳(更生用装具)
  • 支払い:原則1割だけ支払う
    • ※リハビリを終えて、生活の中で長く使っていく場合はコチラです。

それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。

①【治療用装具】病院で作るなら「健康保険」

入院中や通院中、リハビリや手術後の固定のために作る装具は、ほとんどがこれに当てはまります。

  • 対象: 骨折、靭帯損傷、脳卒中のリハビリ用など
  • 使うもの: 健康保険証(国民健康保険、社会保険、後期高齢者医療保険など)

💸 お金の流れ(ここが重要!)

治療用装具には「療養費払い(償還払い)」という仕組みが使われます。これが少し厄介で、一時的な立て替えが必要です。

  1. 装具を受け取るとき、代金の全額(10割)を義肢装具製作所に支払います。
  2. その後、役所や保険組合に申請書を出します。
  3. 数ヶ月後に、自己負担分(1〜3割)を除いた金額が口座に振り込まれます。

治療用装具の申請方法についてまとめた記事です。こちらの記事も参考にしてください。

②【更生用装具】生活で使うなら「障害者手帳」

症状が固定し、「これから長くこの装具を使って生活していく」となった場合に作る装具です。

  • 対象: 手足の切断、麻痺などで、身体障害者手帳を持っている方
  • 使うもの: 身体障害者手帳(障害者総合支援法)

💸 お金の流れ

こちらは「代理受領」という仕組みが一般的です。

  1. 役所で「装具を作りたい」と申請し、判定を受けます。
  2. 許可が降りたら装具を製作します。
  3. 装具を受け取るとき、原則1割の自己負担金だけを支払います。
    • ※世帯の所得によって負担上限額が変わります。

こちらは健康保険とは違い、最初から少ない負担で済むのが特徴です。

更生用義肢装具の制度解説についてはこちらの記事を参考にしてください。

どっちを使えばいいの?迷った時のチェックリスト

「自分はどっちなんだろう?」と迷ったら、以下のフローチャートを参考にしてください。

基本的には、以下の順番で考えます。

  1. まずは「治療用(健康保険)」が最優先
    • 病気や怪我の直後は、まず治療が優先されるためです。
  2. 治療が終わったら「生活用(障害者手帳)」へ
    • 治療用装具を作り、リハビリを終えて退院した後などに切り替わります。

💡 もっと詳しく知りたい方へ(労災・修理など)

この記事では、一番多い「健康保険」と「障害者手帳」の基本だけを紹介しました。

  • 「仕事中の怪我(労災)はどうなる?」
  • 「生活保護を受けている場合は?」
  • 「装具が壊れた!修理費用は?」
  • 「2本目を作りたいんだけど…」

このような、もう少し複雑なケースについては、以下の「完全解説記事」で詳しくまとめています。教科書として使いたい方は、こちらをご覧ください。

まとめ:わからないことはPOに聞こう

最後にポイントを整理します。

  1. 義肢装具に介護保険は使えません
  2. 病院での治療中は「健康保険」(一旦立て替えて、後で戻る)。
  3. 生活用で作るなら「障害者手帳」(原則1割負担)。

制度は複雑ですが、担当の義肢装具士(PO)はプロフェッショナルです。「私の場合はどの制度になりますか?」「いくら用意しておけばいいですか?」と、遠慮なく相談してくださいね。

それでは、また。イカPOでした。

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